​箸技ブログ

アイデアと試作、ネーミング、用途開発……「手長箸」に実はなるか?

商品開発の楽しさを知って40年になる。

商品開発は「アイデアと試作」の繰り返し。そして「耐久性・量産のしくみづくり」「ネーミング」「だれがどう使い喜んでくれるか?」「売れるだろうか、ただであげた方が良だろうか?」などを考えていく。


自分ひとりで考えるのには限界がある。他人に話して、アイデアをもらうのも大事だ。

やっていると、いろんな失敗があるし、想定外のことが起こる。これは植物を育てる楽しみに似ている。アイデアの種を蒔き、これを育て、リンゴやみかんなどの実がうまくなれば、毎年お金が入ったり、人にあげて喜ばれたりするのである。


「手長箸」のアイデアを思いついたのは、国際箸学会設立(2006年)の少し前のことだ。

種を蒔いてから10年。途中、放っておいた時期もあったが、長きにわたり水をやり、育ててきた。はたしてうまく実がなったかどうか、物語におつきあい願いたい。(②に続く) #箸雑記


<箸雑記一覧に戻る   次の話を読む>

  • 小宮山

箸の使いやすさには重心の位置が関係する


 その翌日、たまたま広尾に用事があり、駅までの途中、箸屋さん「にほんぼう」があったので寄ってみた。箸学会会員だと割引してくれるので、いちばん使い易いという箸を買った。その時「使いにくい箸は?」と聞いたところ「分離型で、真ん中にビスがついていて重くなっている箸かもしれない」と言う。なるほど。


 使い易い箸というものは,持った時の太さ・形状・手触り・そして先端の摩擦力だけだと思っていたが、そのほかにイナーシャも関係しているはずだと初めて思った。

 昔の人は箸の長さを「一呎半」(ひとあたはん)と決めた。それはイナーシャと箸を考えて、箸の重心はどこがいちばん使い易いかということで決めたのではないか。また「箸ピー(ピーナツ移動1分ゲーム)」が盛んになれば、野球やゴルフのようにどんなイナーシャを考えた箸がいちばん良いか議論がされるようになるだろう。

 箸サロンや仲間にはいろんな人がおり、技術面の話に全く関心のない人もいれば、強い関心のある人もいる。私の場合は箸をきっかけにオリジナルなモノづくりをする仲間が増えることである。(’09.4月)


〔注〕

  • 慣性とは:イナーシャ。外力が働かない限り、物体がその運動状態を持続する性質

  • 田中正知さん:ものつくり大学名誉教授。著書『考えるトヨタの現場』、『トヨタ式カイゼンの会計学』('09.4発行) 他。Webサイト

  • 岩倉信弥さん:多摩美術大学名誉教授。著書『本田宗一郎に一番叱られた男の本田語録 人生に「自分の哲学を持つ人」になれ!』、他。

  • 箸サロン巣鴨:残念なことに、お店は’10年に閉店しました。

(了)#箸雑記


<箸雑記一覧に戻る   次の話を読む>

  • 小宮山

箸とイナーシャは関係あるか

4月の箸サロン巣鴨※に田中正知さん夫婦も出席。田中さんは糸のついた変な棒を持っているので「それなに?」と聞くと「箸のカンセイを測る」という。なんのことか意味が分からない。「慣性。イナーシャだよ」


そういえば大昔、大学で物理かなんかの時にそんな授業があった。なつかしい言葉だ。

田中さんは説明を続ける。「例えばゴルフのシャフト部分は出来るだけ軽くし先だけを重くする。2人乗りヨット競技は真ん中で2人がくっついていれば曲がり易いし,波に乗り易い。動いているものが思った方向にすぐに曲がれるか否かは慣性、つまりイナーシャの問題だ」。なるほど。


そういえば、岩倉信弥さんの「カーデザインと箸」の時の講演で、昔ホンダ1300の失敗例として「まっすぐ走るなら時速160kmの日本一。しかし、曲がろうと思ったら大変」という車の話をした。これは動いている車をどう方向転換するかというイナーシャの考え方がまずかったのではと思った。


しかし、それが何故箸と関係ある?と思っていたら更に「万年筆はキャップを後につけなければ書きにくいだろう?」と言われた。なるほど、これなら私にもよく分かる。私は40年近く万年筆を使い続けている。シャープペンやボールペンはどうも苦手だ。万年筆はイナーシャと関係がありそうだ。しかし、箸は?と思っていた。(②に続く)#箸雑記


<箸雑記一覧に戻る   次の話を読む>

WEBサイト運営・管理:コミー株式会社
連絡先:TEL 048-250-5311    住所:〒332-0034 埼玉県川口市並木1-5-13         

​▶セキュリティーポリシー  ▶プライバシーポリシー

コミー株式会社

Copyright (C) KOMY CO., LTD All Rights Reserved.