「手長箸」の開発物語⑨

新たなデザインに挑戦!! 奥田先生とフィンランド大使夫妻に出会ったおかげで手長箸の開発に勢いがつき、新たなデザインに挑戦することにした。 これまで、箸は購入したときの竹の素材そのままのものを使い、そこに白い滑り止めシートを巻いていた。しかし初めて見た人に「面白そうなもの」と感じてもらうために、日本的な黒の中に少し赤を利かせた配色にすることにした。 そういえば岩倉信弥さんがデザインしてくれた箸ピーゲームの公認箱も、黒に赤を利かせた配色だ。手長箸もこれを真似することにした。 赤い部分は、色付きの摩擦シートを買うことで簡単に対応できたが、箸本体を黒くするのは大変だ。実は、塗装はすごく手間がかかるのである。 塗装には、スプレー塗装、はけ塗り、ザブ漬け塗装などがある。スプレーは広がって無駄が出てしまうし、1本1本はけ塗りをすると時間がかかってしまう。箸を大量に塗装するには、ザブ漬けが最適だということになった。 塗料は、まず墨で試してみた。しかし竹が墨を吸って、色むらができてしまった。また、墨は濡れると落ちてしまう。 そこで屋外のベンチなどに使われている、乾くと耐水性のある塗料に変えた。 色をつける必要がない箸の先端部分にクリップをつけ、この塗料の中に1分ほど漬ける。その後、取り出して乾燥させ、シートを巻きつける。 この経験は、後の「ヒノキ箸 絵付教室」で、絵付後に保護クリアを塗る方法を考えたときに役立った。(⑩に続く)#箸雑記 <箸雑記一覧に戻る   次の話を読む>

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