箸と慣性②

箸の使いやすさには重心の位置が関係する その翌日、たまたま広尾に用事があり、駅までの途中、箸屋さん「にほんぼう」があったので寄ってみた。箸学会会員だと割引してくれるので、いちばん使い易いという箸を買った。その時「使いにくい箸は?」と聞いたところ「分離型で、真ん中にビスがついていて重くなっている箸かもしれない」と言う。なるほど。 使い易い箸というものは,持った時の太さ・形状・手触り・そして先端の摩擦力だけだと思っていたが、そのほかにイナーシャも関係しているはずだと初めて思った。 昔の人は箸の長さを「一呎半」(ひとあたはん)と決めた。それはイナーシャと箸を考えて、箸の重心はどこがいちばん使い易いかということで決めたのではないか。また「箸ピー(ピーナツ移動1分ゲーム)」が盛んになれば、野球やゴルフのようにどんなイナーシャを考えた箸がいちばん良いか議論がされるようになるだろう。 箸サロンや仲間にはいろんな人がおり、技術面の話に全く関心のない人もいれば、強い関心のある人もいる。私の場合は箸をきっかけにオリジナルなモノづくりをする仲間が増えることである。(’09.4月) 〔注〕 慣性とは:イナーシャ。外力が働かない限り、物体がその運動状態を持続する性質 田中正知さん:ものつくり大学名誉教授。著書『考えるトヨタの現場』、『トヨタ式カイゼンの会計学』('09.4発行) 他。Webサイト 岩倉信弥さん:多摩美術大学名誉教授。著書『本田宗一郎に一番叱られた男の本田語録 人生に「自分の哲学を持つ人」になれ!』、他。 箸サロン巣鴨:残念なことに、お店は’10年に閉店しました。 (了)#箸雑記 <箸雑記一覧に戻る   次の話を読む>

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